追憶の香り

昨日全く触れなかったスパイスについて。今年シュトレンを作るという意義はスパイスを抜きにしては語れません。(どうやらまたも語りたいモードらしい)

シュトレンって私の中ではスパイスがふんだんに使われてなんぼのパンというイメージが強いです。ヨーロッパのクリスマスマーケットでよく売られている(らしい。私はクリスマス時期にヨーロッパに行っていないのです)お菓子の家やジンジャークッキーなども、かなりふんだんにシナモンなどのスパイスが投入されている味ですよね。

でも、シュトレンが作られた最古の記録が残っている1329年(室町時代)くらいって、大航海時代にはまだ早い頃なんです。1400年代中頃から1700年代くらいが大航海時代と呼ばれています。

香辛料自体はヨーロッパには十字軍の遠征をきっかけに伝わっているのですが、1300年代はインド航路もない時代なので、香辛料は高価すぎて、1329年のシュトレンにはおそらく入っていないのです。胡椒一つぶを金と交換していた時代もあるそうですが、シュトレン黎明期はシルクロードを経てベネチアやジェノバの商人が中継貿易をしてもたらされていた時代です。どうやら香辛料がどこでも手に入れられる時代ではなかった頃のシュトレンは素朴すぎるお菓子(なんとバターも牛乳も使われていない!)であったようです。しかもシュトレンという名前がつけられるのもそこから150年くらい待たねばならないようです。バターの入っていないシュトレンについてはまた今度書きますね。

つまり、香辛料とバターと砂糖がふんだんに使われた現代の形のシュトレンはもっと時代が下ってから、ということになりますが、それでもシュトレンか贅沢品であることに変わりはないと思います。実際に作ってみるとひしひしとそれを感じます😋✨年に一度の贅沢グルメとして大切に受け継がれてきたお菓子なのですね。

また、香辛料が海を渡ってきたということでついつい私の脳裏に浮かんでしまうのは、そう、海外旅行😭✈️香りの記憶ってかなり強烈に頭にこびりついているのですが、海外旅行イコール関空の免税店の香水の香りですよ、私が海外旅行と聞いて思い起こすのは。

海外旅行を頻繁にしていた20代。ちょうどその頃に私は職場でドイツの製品を扱っていた同僚からクリスマス時期にスパイスがきいたお菓子やドイツの風景のポストカードを大量にいただいたことがあります。ドイツ、まだ行ってないんだよね、いつか行きたいな、、と思うままにあっという間に時はすぎ、育児と共に海外行ってないや期間が延びに延び、、、今やコロナで海外に行きたくでも行けない状況に😱😱😱

なので、スパイスがきいたクリスマス菓子のことを思うにつけ、芋づる式に海外旅行に行っていた20代やら関空の売店やらドイツのポストカードなどを思い出してしまうのです。シュトレン焼きながら、今日も脳内ではいつか海外旅行に行く野望を燃やしています😆40代の自分が、渡航できないご時世の中自作のシュトレンをちびちび食べながら、海外によく行っていた頃を懐かしく思い出すようになるなんて、20代の頃には全く思いもよりませんでしたね😁

パン教室 パンの大冒険2〜アウトサイド〜

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